気管支炎によりあばらにひび(!)という事態がおき、
ひと月のあいだ制作などをすべてストップしていました。
なぜかいっしょにこのblogもストップ・・・
さて、もうしっかりと回復したので再開です。

ひと月ものあいだなにをしていたかというと、読書です。
家にあるすべての本を読み直し、それでも足りないので図書館三昧。
一日平均およそ2冊。
私は本から多くのインスピレーションをもらいます。
なので制作は出来ずとも貴重なひと月でした。

なんども読み続けている作家について何回かにわけて書きたいとおもいます。
きっと私の作るもののたちのきっかけがここにはあります。


ジュール・ヴェルヌ

初めて読んだのものは子供の頃に兄のもっていた「海底二万海里」。
福音館書店の童話シリーズでとても大きく厚く、内容もさることながら、アルフォンス・ド・ヌヴィルの銅版画の迫力も忘れられません。
「神秘の島」も福音館のもので大人になってから手に入れました。(こちらはフェラ画)
「グラント船長の子供達」からの3部作としての謎解きのようなところもまた良いのです。
ヴェルヌといったらまず「十五少年漂流記(二ヵ年の休暇)」を真っ先に思い出す方も多いと思いますが、わたしはこの3部作(?)が一番好きです。

その他このひと月に読んだものは・・・
「地底旅行」・・・最近もまた映画になりましたね。映画よりも言葉で読んだときの方が数倍
          面白いです。CGがつまらなさを増大。
          (こういった話の面白さは想像しながら読むところにあると思います。)
「十五少年漂流記」・・・初めて読んだ時は、少年になりたい!と思ったほど。
「気球に乗って五週間」・・・アフリカの地図を片手にどきどきにながら。
「八十日間世界一周」・・・内容だけでなく、その目次も面白いです。これの映画は昔の映画の
                勢いも含め、好きです。CG一切ない時代のほうが映画は面白い。
「月世界へ行く」・・・死んでしまった犬がロケット(砲弾)に並んでいくところなど、科学的な
            視点には脱帽。
「アドリア海の復讐」・・・冒頭にあるデュマへの献辞の通り。モンテ・クリスト伯を読んでから
               こちらを続けて読むのもおすすめ。


以上が手元にあって読み直したもの、その他に以前「地軸変更計画」を読んだのですが、これもまた読み直したい。
まだ読んでいない「サハラ砂漠の秘密」や「インド王妃の遺産」などなど、集英社の全集を買おうか悩んでしまいます。
う~ん・・・宝くじ買おうかな?

ちなみに、H・G・ウェルズも好きです。
「モロー博士の島」「タイム・マシン」「宇宙戦争」「開放された世界」などの文庫は本棚に。

明日は「チャールズ・ドジスン」について。キャロルですね。
さて、昨日書いたように今日は「チャールズ・ドジスン」です。

チャールズ・ドジスン・・・ルイス・キャロルですね。

キャロルとしての名前のみを知っている人も多いはず。
「アリス」は訳者や挿絵の違いで印象がぐっとかわりますね。
ヤン・シュワンクマイエルのものは映像も本も好きです。
子供の頃は言葉遊びの面白さの半分もわかってなかったかもしれません。
大人になってから読みなおすとその面白さはひとしお。
訳だけで読んでいるとなかなか気がつかないものも、英語版と照らし合わせて読んでいくと、かなりその「言葉遊び」が楽しいです。
なぜ読み直したかというと・・・

2,3年前より「なにか勉強がしたいな」と思い、好きでしたが、大学入試に関係なかったため高1くらいまでしか選択しなかった数学を再学習。
多分もくもくと計算などするのが好きなようです。
いきなり難しいものなどできないなと思い、算数→中学数学基礎→幾何学と少しずつドリルを買いつつやっています。
そして数学に関する本の面白さにも少しずつ目覚めたときにキャロルの存在を思い出したんです。(キャロルは本名のドジスンの名で数多くの数学に関する著作があります。)
そんなときに図書館で偶然「数の国のルイス・キャロル」という本をみつけました。
数学者「チャールズ・ドジスン」としての伝記ですが、幾何学が好きなひとにはおすすめ。
そして読みつつ問題に没頭。
その本の中に海がめもどきの有名な部分がピックアップされていたのですが、ちゃんと原文も載っていて、はじめてその文章の面白さに気がついたんです。
で、読み直したと。
いつか原文だけでこの面白さを堪能したいですね。
・・・次は英語かな?

というわけで読んだものは
「不思議の国のアリス」・・・映像版もいくつか改めて見てみました。
「鏡の国のアリス」・・・マザーグースがふんだんでこちらも好きです。
上記は絵本から美術書のようなものまで、いろいろと読んでみました。
様々な形や表現になっていてひとつの世界がありました。

キャロル→数学 関連で
「数の国のルイス・キャロル」・・・上に書いたとおりですね
「ユークリッド入門」・・・簡単な参考書のようなものですが、これが結構おもしろい
「フェルマーの最終定理」・・・以前買ったもの、改めて読み直すと一気にはまります。
その他は本当に幾何学の参考書丸出しなものなども。

次は日本の作家さんにしてみます。
今日は予告どおりに日本の作家さんを。
なんだか毎回文章が長くなってしまって我ながらびっくりです。
今回は短く。

内田百閒

数年前に新潮文庫で随筆が復刊しました。
読みやすく新かな遣いになったこともあって出るたびに買っておりました。
百閒先生のユーモアたっぷりの表現が、いつよんでも面白く、ついつい一息に読んでしまいます。人の名前というか表現の仕方には脱帽。
特に「某氏」を「甘木氏」としてしまうあたりなど好きです。
用事もないのに借金してまで列車で旅にでるところなどもまた良いですよね。
貸した人はさぞかしびっくりでしょうに。
でもその堂々とした様で逆にどーんと貸すのかな?
阿房列車などは実際に電車に乗りつつ読みたいくらいです。
(ちなみに、列車つながりでは宮脇俊三さん紀行文のファンです。)
・・・旅に出たいです。

「百鬼園随筆」・・・この中の「蜻蛉玉」という篇でずっと気になっていたモノの名前を知りまし             た。その名も切腹羊羹!アレはこういう名だったか!
「第1~3阿房列車」・・・読むたびに駅弁買って、列車で旅に出たくなります。
               たまには鈍行列車でゆっくりと。読むときは路線図を忘れずに。
「ノラや」・・・実家の猫たちに逢いたくなります。クルツの最後は涙止まらず。

さて明日は「食べ物」についてです。
(この読書の時間を1週間続けて書いてみようと奮闘中です)
「食べ物」についてです。
私は「生きるために食べる」というより「食べるために生きる」
というくらい食べることが好きです。
高級なものとかではなく、「卵ご飯+鮭」とか普段の食事においてですが。
冬になると、妹尾河童さんの本に出てくる「ピェンロー」という鍋は必ず食べます。
具は白菜、豚バラ、干ししいたけ、鳥手羽、くずきりのみ。
塩と七味でいただきますが、これが絶品!

ということで食べ物についての本。

「東海林さだお/丸かじりシリーズ」・・・ファンの方も多いはず普段なにげなく食べている
                        アレやコレがこんなにも奥深く!
「池波正太郎/食卓の情景&その他」・・・たくさんの随筆の中で食べることについて書かれて
                         います。まさに粋な大人の世界です。
「向笠千恵子/日本人が食べたい本物」・・・この中の梅干を食べてみたい!加賀棒茶は市内
                           の和菓子屋さんで取り扱いしていて、愛飲中。
「西村淳/南極料理人シリーズ」・・・極限の地でのおもしろおかしい日々と食。笑えます。
「邸永漢/象牙の箸&その他」・・・「食は広州にあり」に続き、奥深い食文化を読んで味わう。

はじめて本(絵本)から食欲を引き出されたのは「ぐりとぐら」です。おおきな卵と粉とお砂糖と・・・子供の心をがっちりわしづかみです。
昨日食べ物話を書いたのに、UPするのを忘れてしまいました。
下書き保存されたままで、あれ?と。
あわてて今日と一緒にUPです。

今日は児童書について。と、いってもそれだと多すぎるので、お気に入りの二人の作家を。

「アーシュラ・K・ル=グウィン」・・・ゲド戦記で有名ですね。「なつかしく謎めいて」や「いちばん
                     美しいクモの巣」も好きです。
                     でも一番好きなものは「空飛び猫」のシリーズです。
                     こんなコたちと一緒に暮らしたいといつも思っていました。
                     翼のはえた猫なんて、素敵すぎます。訳者が村上春樹
                     というところもまた魅力。
                     ちなみに出てくるジェーンは昔実家にいた猫にそっくり!

「安野光雅」・・・「旅の絵本」は、ものごころついた時には家の本棚にありました。
          この本のおかげで、たくさんの世界に旅する面白さを学びました。といっても
          空想の中でですけれど。この絵本と子供の頃の空想の旅から「ちいさいいえ」
          がうまれたんです。
          「はじめてであうすうがくのほん」シリーズも大好きで、これのおかげで算数が
          好きになりました。
          大人がよんでもハッとするくらい「考える」ことについて学べます。


その他に作品のインスピレーションとしては「めっきらもっきらどおんどおん」です。
ここに出てくるもちのなる木が忘れられません。あのもちを食べてみたい!!と思っています。いつの間にか木を見ると、どんな花がさくのだろう?どんな実がなるのだろう?と想像するようになってしまいました。そこから「ふしぎな果実」という作品が生まれてきたのです。
この読書の時間も残すところ2回(勝手に)。
今日はこの一年に読んだ本の中で、特に良かったと思ったものについて。
といっても2009年刊のものはなぜか無しですがね。

「わたしを離さないで/カズオ・イシグロ」
          ・・・「日の名残」でどっぷりはまった作家ですが、この話もすごい。
             静かに語られる日々の中から、やがて見えてくる世界と真実に様々な事
             を考えさせられます。この話が現実にならない未来を望みます。

「私と20世紀のクロニクル/ドナルド・キーン」
          ・・・新聞で連載されていたときから気になっていた本。2007年に出てすぐ読             んだのですが、今年また読み直してみたんです。
            一人の外国人(日本人よりも日本を理解している)の人生を通して、自分
            が生まれる前の日本について深く知るという素晴らしい時間を得ました。

「その名にちなんで/ジュンパ・ラヒリ」
          ・・・「停電の夜に」を母から借りて知った作家ですが、一息に読んでしまい
            ました。 民族性を振りかざすわけではなく、静かに二つの国の間で生きる
            人々。世界というものをまたひとつ学んだ気がします。
            映画になっているようですが、見ていません。文章で感じ、考えたいので。


以上3冊をえらんでみました。どれも読んでからかなり時がたってもなお、様々なことを考えさせてくれる素晴らしい本です。
と、書いていて・・・あれ?日本の作家がいない・・・結構読んだんですがね・・・。
本ってはじめの1ページ目でその文章が好みかわかるような気がします。
なので手にとってから買いたいのですが、こちらの本屋は東京に比べると小さくて(今話題のものは多く取り揃えているのですが・・・)ひっそりと、でもおぉ!と思える本は少ない気がします。残念。
なので東京に用事がある際に、大きな本屋に駆け込み、たま~に大量発送したりしてしまいます。

さぁ明日はラストです。読書好き以外は興味のないかもしれないこの1週間もとうとう終りです。最後は絶大なる信頼をおく「岩波文庫」です。
さぁ最後です。岩波文庫について。
岩波文庫を好きな理由は・・・
書体が好きなこと(特に80年代中期くらいまでに初版されたものなど)と、飾り気はないけれどきちんと文章の持つ魅力を伝えていること。
あとなんといっても価格がわかりやすいこと。

本のページ数と挿絵の数に応じてつけているのでしょうか?一目瞭然です。
たとえば泉鏡花の「夜叉ヶ池」は約150pで360円。
飯倉照平編訳の「中国民話集」は約400pで660円。
R・F・ジョンストンの「紫禁城の黄昏」は約500pで860円。
他社もある程度はページ数と価格が比例しているのでしょうが、新装版(表紙のみ)になったとたん価格が変わるものなど、中身や訳者は変わっていないのにとう~んと思うものもあります。

さて、そんな岩波文庫の中でのお気に入りはルナール著/辻昶訳の「博物誌」です。
ルナールは「にんじん」で有名ですね。でもこの「博物誌」の方が私は好きです。
なぜなら、その観察眼もさることながら、文章(訳)のユニークさも良いのです。
岩波文庫版ではロートレックの挿絵が入っています。文章のリズムや行間とその挿絵の使い方にも「おぉ!」と感動するページもあって、何度も読みなおしている1冊です。
ちなみに特にこのページ!というところはp138、p139の「クモ」です。
ぜひ読んでみてほしいです。


ということで好きな「本」というものについてつらつらと書き続けた一週間でした。
「本」は人を新たな世界へと連れて行ってくれる存在だと思います。
私はこの「本」というものから知識を得て、想像する力をつけ、また表現するということが何であるのかの第一歩を教えられたと思います。

私のこの冬の予定は、雪の降る日に暖かな部屋の中でゆっくりと「読書の時間」です。